2017年11月

特に前歯のオールセラミックの治療を行うにあたって、歯茎の腫れや出血(歯周病)は適合性の高いオールセラミッククラウンを作製する為にも事前に治療をする必要があります。

実は歯周病以外にも、事前に治療が必要な場合があります。

それは『奥歯』でちゃんと噛めていない方に必要な治療です。

例えば、奥歯が数本なかったり、奥歯が虫歯になっていてちゃんと噛めていなかったり。
そんな状態のまま前歯の治療を行うことは難しいんです。
奥歯でちゃんと噛めない状態であるということは、食事の際に前歯をメインに使って噛んでしまっているという事ですよね?
通常、食事の際に前歯を使って食べ物を噛んだり噛みきったりはするんですが、奥歯でちゃんと噛めない状態が続くと、通常よりも前歯に強い力(負担)がかかってしまいます。

せっかくキレイなオールセラミックの治療をしても欠けてしまったり、
折れてしまったりするリスクが、グンと上がってしまうんです。

そしてもう一つ。

前歯だけで噛んでいる方は、下の前歯が上の前歯を突き上げて歯が動いてしまい、最終的に出っ歯になってしまう可能性もあるんです。

奥歯と前歯でバランスよく嚙むことが、オールセラミッククラウンの持ちという面で大切になることをご理解いただけたでしょうか?

まず見た目からということで前歯を治療を優先したい気持ちはわかりますが、奥歯が数本無かったり、虫歯が進んで痛くて噛めない方は、まずその奥歯の治療を終わらせてから前歯の治療へと進んでいきましょう。

奥歯が欠損している場合にはブリッジという治療で補うことも出来ます。

欠損歯(抜けた歯)のオールセラミックの治療方法も御覧くださいね。

前歯は機能的にも見た目的にも非常に重要な場所です。

もし前歯が無かったとしたら、息が漏れてうまく発音出来なくなりますし、
食べ物を食べる時に噛み切るという事が出来なくなりますので、飲み込みにくくなってしまいます。

見た目的には虫歯の黒い色が目立ってしまったり、治療跡のCR(コンポジットレジン)=白い部分的な詰め物が使用期間と共に変色してきたり、歯並びが気になってしまったりと、お悩みも多い部分であると言えます。

見える部分だから気を遣って何度も治療をするという方もいらっしゃるかもしれませんが、前歯の治療は何度も何度も繰り返し治療をすべきではありません。
再治療となると、少なからず歯を削る事になりますし、奥歯に比べて歯が薄いので、歯に負担を与えてしまいます。

従って、可能な限り1回通しの治療で終わらせられれば良いと言えます。
勿論、年齢などによってやり直さなければならない場合もありますし、1回完璧な治療すれば問答無用で大丈夫と言う訳ではありませんが。。。

ごくごく僅かな虫歯であれば上記のCR治療で可能な限り歯を削る量を少なくする方法(むやみに治療範囲を広げない方法)は選択すべきものだと思います。
しかし、大きな虫歯(神経近くまで到達している虫歯)であればしっかりした治療を選択する必要があります。

神経まで到達していると、神経の治療=根管治療(こんかんちりょう)が必要になります。
歯の神経を取る治療とも言いますが、ただ単に神経を取るだけではなく、中に存在している菌を殺して薬を詰める治療です。

クラウン(被せ物)をする上で、最重要とされる治療です。

しっかり菌を除去していないと、残った菌が悪さをして歯根の先に膿を溜めてしまったり、骨を溶かしてしまったりします。
そうなると、痛みや違和感を覚えて再度歯医者さんに通い、折角被せたクラウンを除去して、また根管治療を再度やり直さなければいけません。
手間もお金もかかってしまいますし、上記通り歯に負担がかかります。

特に保険のクラウンは金属が使われていますので、劣化しやすく、二次カリエス(再び虫歯になること)のリスクや、
金属アレルギー、メタルタトゥー(金属の色が歯茎に移ってしまう現象)などの心配があります。

そうならないように、クラウンを被せる場合はオールセラミックを選択頂ければ良いと思います。
金属が一切使用されていませんので、劣化もしづ辛く、金属特有の弊害もありません。

特に前歯にクラウンを被せる場合、上記のリスク排除も大事ですが見た目も重要視されます。
セラミック(陶器)で出来ているので、透明感も光沢感も非常にあり、天然歯以上の見た目を再現できます。

前歯に保険のクラウンを被せる前に、一度オールセラミックをお考えください。

オールセラミックの被せ物(補綴治療)とは

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